佐川吉男音楽賞《奨励賞》
ヘンデル『シッラ』公演

佐川吉男音楽賞《奨励賞》<br>ヘンデル『シッラ』公演

9/20に佐川吉男音楽賞の贈賞式がありましたが、私は日本音楽コンクール審査のため出席できなかったので、本日改めて神奈川県立音楽堂へ表敬訪問。

贈賞式での様子なども伺えて面白かったです😆ありがとうございました♪

以下、当日代読して頂いたメッセージです:

この度は、佐川吉男音楽賞/奨励賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。心より感謝申し上げます。

今回受賞いたしましたヘンデル『シッラ』公演は、忘れもしない2020年2月26日、パンデミックに対する政府発表を受けて、一度中止となったプロダクションです。

3日後の本番を控え、舞台セットも組まれ、キャスト・スタッフが全員集合し、「幻のオペラ」に命が吹き込まれる瞬間を今か今かと待っていた時に伝えられた、突然の中止宣言。これまでの舞台人生で、あんなに悲しい思いをしたのは初めてでし た。

それゆえに、昨年再び上演の機会を得た際には、関係者全員がやる気満々。主催者である神奈川県立音楽堂のスタッフをはじめ、キャスト、ミュージシャン、クリエ イター全員の、文字通り、血と汗と涙の結晶のような舞台となりました。

高校野球の監督が「青春は密だ」との名言を残しましたが、音楽だってその本質は「密」だと思います。皆で集まって創り上げた舞台が好評だと、こんなにも嬉しいものなのですね。

「感染防止」の名のもとに、物理的な距離だけでなく、心までバラバラにされてしまったような年月を経たせいか、感慨もひとしおです。

実は今回の舞台は、音楽堂から世界発信を目指す、という目標を当初から掲げ、創ってきたものでもあります。

このコンセプトを見抜いた上で、海外での上演を目指せ、と背中を押してくださる贈賞理由の一文に、驚愕し、また涙が出るほど嬉しく思いました。

実際、独ウニテル社との契約により、ある意味、目標の一部は達成されました。我が国初のオペラ公演が行われたのが120年前。そろそろ日本のイチ公共ホール制作のオペラが、海外の劇場で上演される時代が来ても良いのではないでしょうか?

どうか今後も、神奈川県立音楽堂プロデュースのオペラ・シリーズにご注目ください。私個人も、日本のオペラ・プロダクションが世界中で人々を幸せにできるよう、日々邁進してゆく所存です。

これからもご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

彌勒忠史

映像はNHKオンデマンドでご覧頂けます。
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2022125193SA000/

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