《メッセニアの神託》 東条碩夫氏の批評

《メッセニアの神託》東条碩夫氏の批評です。
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また今回は、弥勒忠史の演出が成功していた。美術(松岡泉)と衣装(萩野緑)も凝っていて、能舞台をイメージした舞台美術には石庭や屏風が使われ、衣装も洋風と日本風(?)を役柄ごとに使い分けての設定である。
 演技の中では、特に能との関連は強調されていないが、しかし暴君ポリフォンテを歌い演じたスタヴランは、持った扇を巧みに使い、なかなか派手な見得を切っていた。この人、上背もあり、屹立すると頭が何処にあるのか判らないほどの小顔(?)なので、結構な迫力がある。聞けば、歌手たちは全員、自分たちでもいろいろ演技を工夫しながら舞台に臨んでいたのだとか。
(上記リンクより一部引用)

海老蔵さんとの舞台が現在進行中ゆえに、より強く思うのかもしれませんが、舞台に関わる人は皆、もっともっと歌舞伎や能楽をはじめとする日本の伝統芸能に触れる機会を増やすべきだと思います。
自分たちが、どんな美的価値観の国に生まれ育ち、どんな身体的特徴を持っているのかを知っていることは必ず表現のための武器となります。
オペラを日本からヨーロッパへ、世界へ発信するためにも、常に意識せねばならないことではないでしょうか。
(Miroku)

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